2026年5月26日
【SNS運用で陥る5つの罠】- part1 - 外注丸投げ

みなさん、こんにちは。広告業界出身の土木偏愛者、おがしんです。
いつも採用支援コラムを読んでくださり、本当にありがとうございます。
採用広報はSNSだけではないという記事を書きましたが、とはいえSNSは外せない必須のツールであることは変わりありません。
私がこれまで様々なご相談を受けている中で見てきた、SNS運用を失敗する主な5つのケースについて、シリーズでお伝えしたいと思います。
外注丸投げのタイムラインに漂う違和感
SNSの運用を始めようとするとき、多くの経営者さんが最初にぶつかる壁が、時間がない、やり方がわからない、という問題です。
現場の管理や日々の経営のことで頭がいっぱいの中、毎日のように写真を撮って、文章を考えて投稿するのは本当に大変なことですよね。
だからこそ、プロの業者さんにお金を払って任せた方が、綺麗で素晴らしいものができるだろうと考えてしまうのは、ごく自然な流れだと思います。
実は以前、ある建設会社さんのInstagram運用についてご相談をいただく機会がありました。
そのアカウントを一目見た瞬間に、私は、あ、これは完全に丸投げだな、と分かってしまいました。
お話しを伺うとその会社さんでは、なんと年間で300万円という決して安くない外注費用を支払って、運用のすべてを専門の業者さんに丸投げしていたんです。
そこに並んでいたのは、プロカメラマンが撮影したような綺麗な写真、どこかの教科書からコピーしてきたような整ったお決まりの言葉ばかり。
確かにデザインは洗練されていて、見た目はバツグンに良いんです。
でも、何というか、体温がまったく感じられない。まるで誰もいない、しんと静まり返ったモデルハウスを見ているような、そんな冷たい違和感を覚えてしまいました。
実際に、SNSでの反応もイマイチだったんですよね。フォロワーもいいねの数やコメント数なんかも。
社長さんもお金をかけたわりには、反応がいまいちなため、どうしたもんかと悩んでいる様子でした。
結果的には、私が一年間サポートに入る代わりに、外注丸投げをやめて、自社運用できるように切り替えてもらいました。
今では、社長をはじめ自社担当者たちだけで運用されています。
誰かと仲良くなりたいとき、代行を頼みますか?
では、なぜこのような、綺麗なだけの丸投げ投稿では採用に繋がらないのでしょうか。
理由はとてもシンプルです。
SNSの本質は、フォロワーさんと良好な関係性を構築していくためのコミュニケーションツールであり、一方的に自社のアピールを送りつける広告媒体ではないからです。
ここで、少し想像してみてほしいのです。
もしあなたが、身近にいる、ある特定の人と友達になりたい、もっと仲良くなりたいと思ったとき、どうするでしょうか?
まさか、コミュニケーションの代行業者のような人にお金を払って、あの人と仲良くなりたいから、私の代わりに毎日メールを送って、いい感じに喋っておいてください、なんて頼みませんよね。
そんなことをしても、相手と本当の信頼関係が築けるわけがありません。
もし万が一、その代行してもらった綺麗なメッセージに惹かれて一度は会ってくれたとしても、いざ実際に顔を合わせたときに、なんかメッセージの雰囲気と全然違うな、と違和感を持たれて、すぐに離れていってしまうはずです。
SNS運用も、これとまったく同じなんです。
求職者の学生さんや若者たちと、相思相愛の温かい関係になりたいのに、その大切なコミュニケーションの真ん中に、自社のことを何も知らない第三者を挟んでしまっては、本当の魅力が伝わるわけがないのです。
反応されるのは加工されていないリアル
今の若い世代は、大人が思っている以上にスマホでの情報収集に慣れています。
そして、何が本物の情報で、何が作られた広告なのかを見抜く、ものすごく鋭い感覚を持っています。
彼らが求人票や企業のホームページだけでなく、わざわざSNSを見に来る理由。
それは、綺麗に飾られた言葉ではなく、加工されていない会社のリアルな空気感や、そこで働く人の生の声を探しているからに他なりません。
若者たちの間で今、本当に反応が良いアカウントというのは、決して画質が綺麗でデザインが完璧なものではありません。
現場のちょっとした休憩時間に、泥にまみれた作業服姿の先輩たちが、白い歯を見せて笑い合っている姿。
不器用ながらも、社長がスマートフォンのカメラに向かって、自社の技術や仲間への想いを一生懸命に語っている動画。
そんな、画面の向こうから現場の温かい笑い声が聞こえてくるような、泥臭くて等身大の表情なんです。
そのリアルな空気感に触れたとき、若者たちは初めて、あ、この会社なんだか楽しそうだな、この人たちと一緒に働いたら、自分も成長できそうだなと、未来の自分がそこで働く姿を具体的にイメージできるようになります。
使うツールはデジタルですが、結局反応してもらえるのは”人間味”溢れる部分なんです。
会社を一番愛している人の言葉だから響く
ここで、もう一度原点に戻ってみましょう。
あなたの会社の魅力や、地底から未来を切り拓くトンネル工事という現場の凄みを、一番よく知っているのは誰でしょうか。
そして、その会社を誰よりも深く愛しているのは、一体誰でしょうか。
それは絶対に、東京の洗練されたオフィスにいる外注の業者さんではありませんよね。
その会社を引っ張っている社長であり、日々現場を支え、守り続けている社員の皆さん自身のはずです。
会社に対する愛着も、現場への誇りも、すべて皆さんの中にしかないんです。
その一番大切な熱源を外に丸投げしてしまったら、どんなに高いお金を払っても、人の心を動かす発信ができるわけがないと思うのです。
SNSで本当に大切なのは、完璧な文章や綺麗なデザインではなく、自社を愛する皆さんの熱量がそのまま伝わることです。
不器用でもいい、少し文章が固くても構いません。皆さんの心から溢れ出る言葉にこそ、何百万もの広告費をはるかに凌駕する、強烈な引き寄せる力が宿るのです。
あなたの会社を愛する当事者の手で、地道にコツコツと生の声を発信し続けていくこと。
その温かい積み重ねが、数年後に会社を支えてくれる、最高の仲間との出会いを必ず連れてきてくれます。
自社の磨けば光る素晴らしい価値を、ぜひ皆さんのその手で、未来の仲間に向けて優しく届けていきましょう。
それでは本日も、ご安全&ご機嫌に参りましょう♪
記事を書いた人

株式会社ドボクのミカタ 代表取締役 小川慎太郎
防災士/公益社団法人土木学会Web情報誌fromDOBOKU副編集長/一般社団法人行政エンジニア支援機構賛助会員
広告業界にて25年間、マーケティングや販売促進の企画業務に従事。とある土木イベントにアドバイザーとして参画したことがきっかけで、熱烈な土木ファンになる。
土木業界に「広報」という言葉が浸透していない時代から「広報の重要性」を説き続けてきた、土木広報のパイオニア。
近年は、企業、団体向けの併走型コンサルティングサービスを中心に活動している。
公益社団法人土木学会・土木広報大賞2025最優秀賞を受賞
