採用支援コラム

2026年6月23日

【SNS運用で陥る5つの罠】- part4 - SNSを広告媒体のように使う

みなさん、こんにちは。
広告業界出身の土木偏愛者、おがしんです。
いつも採用支援コラムを読んでくださり、本当にありがとうございます。

採用SNSの運用の罠を深掘りする連載シリーズも、いよいよ第4回目を迎えました。

さて、今回深掘りしていくテーマは、ケース4:SNSを広告媒体と同じような感覚で使っている、という罠についてです。

これは前回の内容とも深く関係しているのですが、実は非常に多くの企業さんが、無意識のうちにSNSを無料の求人広告のように使ってしまうケースがあります。
一生懸命に更新しているのに、なぜかフォロワーが増えない、いいねやコメントなどの反応が全くない、という場合、この罠にはまってしまっている可能性がとても高いのです。

SNSというデジタルな広場で、なぜ一方通行の発信では人の心が動かないのか。
その理由と、明日からアカウントがガラリと温かく変わるコミュニケーションの秘訣について、じっくりとお話ししていきたいと思います。

SNSは広場であり、広告看板ではない

まず、みなさんにイメージしてみてほしいことがあります。

広告というのは、道路沿いに大きく立てられた看板や、新聞の折り込みチラシのようなものです。
お金を払ってその場所を借り、うちの会社はここにあります、今こんなスタッフを募集しています、と一方的に大きな声で伝える道具です。

一方で、SNSというのは、地域の人やたくさんのユーザーが集まって、楽しくおしゃべりをしたり、情報交換をしたりしている広場やパーティー会場のような場所です。

もし、そんな賑やかな広場の真ん中に、自社の求人チラシを両手にどっさりと抱えた人が突然やってきて、周りの人の話には一切耳を貸さず、マイクを持って、我が社は月給〇〇万円です、福利厚生が充実しています、今すぐ応募してください、と自社の宣伝だけを大声で叫び続けていたら、どう感じるでしょうか。

きっと、周りにいる人たちは、なんだか強引な人が来たな、関わらないようにしよう、とそっと距離を置いてしまいますよね。

SNSを広告媒体と同じ感覚で使ってしまうというのは、まさにこれと同じことを画面の向こうでやってしまっている状態なのです。
相手の顔を見ず、相手の声を聞かず、ただ自分たちが言いたいこと、売り込みたいことだけを一方通行で流し続ける。
これでは、どんなに素晴らしい情報であっても、広場にいる人たちの心には響かないどころか、警戒されてしまうのも無理はありません。

自画自賛の罠と、双方向コミュニケーションの楽しさ

広告という媒体は、その仕組み上、どうしても自画自賛になりがちです。
うちの会社の技術は日本一です、アットホームで素晴らしい職場です、というように、自分たちの強みやメリットを最大限にアピールするのが広告の役割だからです。

しかし、SNSという広場で本当に愛され、たくさんのファンに囲まれているアカウントというのは、絶対に自分たちの自慢話ばかりをしていません。
彼らが何をしているかというと、広場にいる他の人たちとのコミュニケーションを、自分たち自身が心から楽しんでいるのです。

例えば、地元の小さな定食屋さんや、お世話になっている協力会社さん、あるいは同じ土木業界で頑張っている仲間たちの投稿を見つけたら、積極的にいいねを押したり、今日の現場もご安全に、いつも応援しています、といった温かいコメントを残したりします。

自分たちの発信をするだけでなく、相手の投稿をしっかりと見て、応援し、言葉を交わす。この双方向のやり取りがあって初めて、画面の向こうのユーザーは、この建設会社の人たち、なんだかすごく親切だな、温かい人たちが働いているんだな、と親近感を抱くようになります。

ただの無料の求人広告板として使われているタイムラインには、人間味が全く感じられません。
しかし、誰かの投稿を応援し、交流を楽しんでいるタイムラインからは、そこにいる人たちの体温や、お互いを思いやる優しい空気感がこれでもかというほど伝わってくるのです。求職者の学生さんたちが求めているのは、まさにこの人間味溢れる温かさなのです。

誰のために、どんな関係を作りたいか

ここで、もう一度原点に戻って、広報の本来の目的を考えてみましょう。

僕がいつもお伝えしているように、広報活動のゴールは、未来の仲間となる求職者や地域の方々と良好な関係性を構築すること、つまり、心の底から仲良くなることです。

誰かと仲良くなりたい、友達になりたいと思ったとき、自分の主張やメリットだけを押し付ける人はいませんよね。
まずは相手に興味を持ち、相手の話をよく聞き、相手が喜んでくれることや、クスッと笑ってくれるような等身大の自分を見せていくはずです。

SNSの運用も、これとまったく同じなんです。

今日は現場でこんなおもしろい発見がありました、新入社員の〇〇くんが初めて先輩に褒められて照れていました、といった日々の何気ない、でもクスッと笑えて心が温まるような等身大の日常を発信していく。
それを見た人が、いい雰囲気だな、といいねを押してくれたら、ありがとうございます、と心からの感謝を返す。

ツール自体はスマートフォンやパソコンといったデジタルなものですが、その画面の向こうにいるのは、感情を持った生身の人間です。
通い合うのは、いつの時代も人間の心そのものなのです。

一方通行の広告ではなく、心の通った双方向のコミュニケーションを意識するだけで、あなたのアカウントの空気感は劇的に変わっていきます。

まずは目の前の人を応援することから始めてみる

では、この広告媒体の感覚から抜け出し、本当の意味でのSNS広報をスタートするために、明日から何ができるでしょうか。

それは、自分たちの投稿をどうしようかと悩む前に、まずは他の誰かの投稿を一生懸命に応報することです。

今日現場で頑張っている仲間の投稿にいいねを押す。地元の企業の素敵な取り組みにコメントを送る。
そんな小さな応援の積み重ねから始めてみてください。
あなたが相手を大切にし、応援すれば、相手も必ずあなたのことを気にかけてくれるようになります。

そうして少しずつ広がっていった温かい繋がりの輪こそが、数年後にあなたの会社を支えてくれる、最高の仲間との出会いを実現してくれる強固な土台になります。

SNSは、自社の強みを叫ぶ場所ではなく、皆さんの温かい人柄や、現場への誇りを優しくおすそ分けする場所です。
完璧な宣伝文章は不要です。ぜひ、目の前のユーザーとの会話を楽しみながら、皆さんだけの温かい広場を作っていきましょう。

それでは本日も、ご安全&ご機嫌に参りましょう♪

記事を書いた人

株式会社ドボクのミカタ 代表取締役 小川慎太郎
防災士/公益社団法人土木学会Web情報誌fromDOBOKU副編集長/一般社団法人行政エンジニア支援機構賛助会員

広告業界にて25年間、マーケティングや販売促進の企画業務に従事。とある土木イベントにアドバイザーとして参画したことがきっかけで、熱烈な土木ファンになる。
土木業界に「広報」という言葉が浸透していない時代から「広報の重要性」を説き続けてきた、土木広報のパイオニア。
近年は、企業、団体向けの併走型コンサルティングサービスを中心に活動している。

公益社団法人土木学会・土木広報大賞2025最優秀賞を受賞

株式会社ドボクのミカタ公式サイトはこちら