2026年5月11日
自分たちは何者なのか?

日本トンネル専門工事業協会のみなさん、こんにちは。
広告業界出身の土木偏愛者、おがしんです。
いつも採用コラムを読んでくださり、本当にありがとうございます。
令和8年度がスタートして約1ヶ月が経過しました。
皆さんの会社でも、新しい目標に向かって動き出している頃ではないでしょうか。
私は今年、「広報力経営」という考え方が、土木・建設業界にもっと根付く一年になってほしいと願っています。
広報力経営とは、“会社や業界の価値を、伝わる力によって経営成果へ変えていく”という考え方です。
最近、この「広報」についてご相談をいただく中で、よく話題になることがあります。
それは、「そもそも、何からどう整えれて、広報をやっていけばいいんでしょうか?」ということ。
やるべきことはたくさんありますが、SNS運用や採用動画の前に、実はもっと大切な“根っこ”があります。
今日は、その根っこの部分に関わる「CI」と「VI」という言葉について、できるだけわかりやすくお話ししたいと思います。
CIとは、“会社の心”のこと
CI(コーポレート・アイデンティティ)とは、簡単に言えば、「自分たちは何者なのか」を定義することです。
誰のために。
どんな想いで。
何を守り、何をつくっているのか。
そして社会のために存在している価値は?
つまり、会社の“らしさ”や“存在理由”ですね。
理念やビジョン、価値観など、そういった目には見えない部分が、CIです。
VIとは、“その想いを見える化したもの”
そして、VI(ビジュアル・アイデンティティ)は、そのCIを視覚的に表現したものです。
たとえば・・・
ロゴ
名刺
ホームページ
作業服
看板
封筒
会社カラー
など。会社から見えるもの、伝わるもの、すべてがVIです。
これ、人に例えるとすごくわかりやすいんです。
CIは、その人の性格や信念、価値観。
VIは、その人の服装や髪型、立ち振る舞い。
どれだけ素晴らしい考え方を持っていても、外側に伝わらなければ、その魅力はなかなか届きません。
逆に、見た目だけ整えても、中身が伴っていなければ、すぐに違和感が生まれます。
つまり大事なのは、「中身」と「見え方」が一致していること。会社も、まったく同じなんです。
“理念づくり”を、みんなでやった会社の話
以前、ある企業さんで、CIとVIを根本から見直すお手伝いをさせていただきました。
1年がかりのプロジェクトになりましたが、そのプロセスが、本当に素晴らしかったんです。
その会社では、新しい経営理念や会社の在り方を決める際、社長や幹部だけで決めませんでした。若手社員さんも含めて、全社的に議論を重ねたんです。
「自分たちの仕事の本当の魅力って何だろう?」
「地域の人たちに、どう思われたい?」
「うちだけの独自の価値ってなんだろう?」
そんな問いに対して、ベテランも若手も関係なく、本音で語り合っていきました。すると、不思議なくらい会社の空気が変わっていったんです。
私は、この時に改めて感じました。
理念って、「完成した言葉」そのものよりも、“どうやってその言葉にたどり着いたか”が大切なんですよね。
なぜこの言葉になったのか。どんな想いが込められているのか。
その背景をみんなが知っているからこそ、理念が“壁に貼られた紙”ではなく、“自分たちの言葉”になる。
これこそが、広報力経営の本質だと感じています。
そして、その新しいCIに合わせて、
ロゴ
名刺
封筒
看板
デザインルール
など、VIも一新しました。
すると、目に見えて社内の雰囲気が変わったんです。
社員さんたちが、自分たちの会社に対して誇りを持ち始めた。
名刺を渡す時の姿勢まで変わる。
「これが、自分たちの会社なんだ」そんな旗印を持てるようになったんですよね。
結果として、帰属意識や一体感が高まり、社内の空気がどんどん前向きになっていきました。
会社に笑顔が増える、笑い声が聞こえるって、単純に素敵だと思いませんか?
SNSは“手段”であって、“目的”ではない
最近は、「とりあえずSNSをやりましょう」という流れも増えています。もちろん、SNSは強力なツールです。
でも、それはあくまで“伝えるための道具”なんですよね。
今の学生さんや求職者は、会社の空気感をかなり敏感に見ています。
発信の奥にある“本音”まで、意外と伝わる。
だから、中身の整理ができていない状態で、発信だけ増やしても、なかなか人の心は動きません。
だからこそ大切なのは、小手先の広報テクニックではなく、
- 自分たちは何者なのか
- 何を大切にしているのか
- どうありたいのか
を整理すること。そのうえで、それをどう見せるかを考える。
この順番が、本当に大事なんです。
広報は、“未来への投資”
私はいつも、「広報はコストではなく、未来への投資です」とお伝えしています。
信頼を積み重ねること。誇りを育てること。地域との関係性をつくること。
それは結果として、
- 人材採用
- 定着率
- ブランド力
- 地域からの信頼
につながっていきます。
あなたの会社にも、“伝えるべき価値”がある
土木・建設業界には、まだまだ伝わっていない魅力がたくさんあります。
でも、それは「魅力がない」のではなく、“伝わる設計”がされていないだけなんです。
あなたの会社にも、磨けば光る価値、独自の価値が、必ずあります。
それを、会社の引き出しの中に眠らせたままにしないでください。
一緒に、その想いを形にしていきましょう。
土木・建設業界は、もっともっと人気業種になっていい。
私は本気でそう思っています。
その未来をつくるカギは、現場を知る皆さん一人ひとりの「伝える意識」にあります。
ぜひ、あなたの会社でも、CIとVIという“新しい技術力”を備えてみてください。
それでは本日も、ご安全&ご機嫌に参りましょう♪
記事を書いた人

株式会社ドボクのミカタ 代表取締役 小川慎太郎
防災士/公益社団法人土木学会Web情報誌fromDOBOKU副編集長/一般社団法人行政エンジニア支援機構賛助会員
広告業界にて25年間、マーケティングや販売促進の企画業務に従事。とある土木イベントにアドバイザーとして参画したことがきっかけで、熱烈な土木ファンになる。
土木業界に「広報」という言葉が浸透していない時代から「広報の重要性」を説き続けてきた、土木広報のパイオニア。
近年は、企業、団体向けの併走型コンサルティングサービスを中心に活動している。
