採用支援コラム

2026年4月27日

採用活動はマーケティングそのもの

想いをどう届けるか?

こんにちは。広告業界出身の土木偏愛者、おがしんです。

土木・建設業界の皆さんとお話ししていると、決まって出てくるお悩みがあります。 それは、「なかなかいい人材が採用できないんだよね」という切実な声です 。

全国規模のスーパーゼネコンならいざ知らず、地域に根ざした建設業や専門工事業、中規模の建設コンサルタントにとって、採用難は本当に深刻な問題ですよね。 でも、ちょっと立ち止まって考えてみてほしいんです。 皆さんは、10年前と同じやり方で採用活動を続けていませんか?あるいは、大手企業の後を追うような、広告費任せの活動になっていませんか?

実は、今の時代の採用活動で最も大切なのは、画一的な求人票を出すことでも、高い広告費を払うことでもありません。 それは、「マーケティングの視点」を持つこと。これに尽きると、僕は本気で思っています 。 今日は、少しカタい「マーケティング」という言葉を私なりに噛み砕いてお話ししていこうと思います。

採用は「選ぶ」から「選ばれる」時代へ

かつては「求人票を出せば応募が来る」という時代がありました。 しかし、今は違います。工業高校や高専の新卒有効求人倍率は、なんと20倍という驚くべき数字になっています 。 一人の学生さんに対して、20社もの企業が「うちに来て!」と手を挙げている状態です。しかも、最近では超大手企業までもが工業高校に直接求人を出すようになり、地方の中小企業にとってはまさに「超・戦国時代」と言っても過言ではありません 。

このような状況下では、企業側が人材を「選ぶ」というスタンスは通用しません。学生や求職者がSNSやインターネットを駆使して、数ある会社の中から自分に合う一社を「選ぶ」時代になったのです 。 だからこそ、彼らの視点に立って、「うちの会社はこんなに魅力的なんだよ」という価値を正しく届けるマーケティングの考え方が必要不可欠になるわけです 。

採用活動って、実は「飲食店の集客」とそっくりなんです

「マーケティングなんて、土木の現場には関係ないよ」 そう思われるかもしれません。でも、視点を変えて他業種、例えば「飲食店」に置き換えてみると、すごく分かりやすくなります 。

皆さんが、「今日はおいしいものを食べに行こう」と思ったとき、どんなお店を選びますか? どんなに味が良くても、お店の場所が分からなかったり、外から店内の様子が見えなくて暗い雰囲気だったりしたら、入るのを躊躇してしまいませんか? 逆に、店主のこだわりがホームページに載っていたり、SNSで「今日のおすすめ」が写真付きで流れてきたり、常連さんが楽しそうに過ごしている様子が分かると、「ちょっと行ってみようかな」という気持ちになりますよね 。

採用活動も、これとまったく同じなんです。

  • 新規のお客さんを呼ぶこと = 採用活動(新しい仲間を探す)
  • 常連さん = 今働いている社員さん

こう考えると、やるべきことが見えてきませんか? 繁盛している飲食店は、広告やクーポンに頼り切るのではなく、まず「常連さん」を死ぬほど大切にしています 。 常連さんがお店を愛し、愛情を持って通っているからこそ、その雰囲気が外にも伝わり、新しいお客さんを連れてきてくれる。 会社も同じです。今いる社員さんがイキイキと働いていて、会社を誇りに思っている姿こそが、外から見たときに最大の魅力として映るんです 。

誰に、何を、どう伝えるか?

では、具体的にマーケティング視点で何をすればいいのか。 基本はシンプルに、「誰に、どんな価値を、どう伝えるか」を整理することから始まります 。

  1. 「誰に」届けたいか?
    地元志向の学生さんなのか、特定の技術を磨きたい転職希望者なのか。対象を絞り込むことで、届けるメッセージは変わります 。
  2. 「どんな価値を」伝えるか?
    「アットホームな雰囲気」といったありきたりな言葉ではなく、皆さんの会社にしかない「独自の価値」を見つけることが重要です。地域密着の強み、圧倒的な技術力、あるいは社長の熱い想い。それを言語化することが採用成功の大きなカギです 。
  3. 「どう伝えるか」
    情報を届けるための道具を整えましょう。僕は、「採用活動専用ホームページ」+「SNS」+「ブログ」の組み合わせを推奨しています 。

特に「採用活動専用ホームページ」は重要です。通常の会社概要ページではなく、学生さんが知りたい「仕事のリアル」や「会社の空気感」を整理して載せる必要があります 。 そして、SNSで日常を発信して地域のファンを増やし、ブログで社長や社員の「想い」をフランクに伝えていく。この積み重ねが、数多ある求人情報の中に埋もれない、あなただけのブランドを創り上げていくのです 。

マーケティングは「想像力」からはじまる

マーケティングと聞くと、何か難しいデータ分析が必要なように感じるかもしれませんが、そんなことはありません。 その本質は、「届けたい相手を想う、想像力」そのものです 。

「どんな人が来てくれたら嬉しいかな?」 「その人は、今の求人を見て応募したいと思うだろうか?」 「入社してくれた人が、ずっとここで働きたいと思える環境はどんなものだろう?」そうやって一人ひとりの相手を想像し、誠実に伝えていくこと。

土木・建設業は、社会になくてはならない誇り高い仕事です 。その価値を「正しく、楽しく」伝えるだけで、未来の仲間とつながる力になると僕は本気で信じています 。

 

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます!

皆さんの現場に、素敵な仲間が集まることを心から願っています。

本日も、ご安全、ご機嫌に参りましょう♪

記事を書いた人

株式会社ドボクのミカタ 代表取締役 小川慎太郎
防災士/公益社団法人土木学会Web情報誌fromDOBOKU副編集長/一般社団法人行政エンジニア支援機構賛助会員

広告業界にて25年間、マーケティングや販売促進の企画業務に従事。とある土木イベントにアドバイザーとして参画したことがきっかけで、熱烈な土木ファンになる。
土木業界に「広報」という言葉が浸透していない時代から「広報の重要性」を説き続けてきた、土木広報のパイオニア。
近年は、企業、団体向けの併走型コンサルティングサービスを中心に活動している。

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