2026年4月21日
伝わらなければ、存在しないのと同じ・・・

人は知っていることからしか選択できない
日本トンネル専門工事業協会の皆様、こんにちは。
広告業界出身の土木偏愛者、おがしんです。
「求人を出しても反応がない」「土木の仕事の良さが、今の若い子に伝わらない」「せっかく待遇を良くしたのに、見向きもされない」そんな切実な声を耳にするたび、僕はいつも心の中でこう叫んでいます。
「もったいない!本当にもったいないんです……!」って。
皆さんの会社には、語るべき素晴らしい価値が山ほどある。でも、それが「届くべき人」に届いていないだけなんです。
今日は、採用活動を劇的に変えるための「広報」の必要性と重要性について、僕の視点からじっくりとお話しさせてください。
「知られていない」という、あまりにも高い壁
まず、厳しいようですが、一つの現実をお伝えしなければなりません。
それは、「まずは知ってもらわないと、土俵にすら上がれない」という現実です。
土木業界の方達にとって、自分たちの仕事がいかに社会を支えているか、どれだけ誇り高いものかは「当たり前」のことですよね。蛇口をひねれば水が出る、道路が綺麗に舗装されている、橋が落ちない。トンネルを通って隣町にすぐ行ける。これら全部、土木があるおかげです。
でも、一般の人たち、特にこれから仕事を選ぼうとしている学生さんや求職者の方々から見れば、土木の世界は「未知の領域」なんです。
残念ながら、積極的に「土木業界のことを調べよう!」と思ってくれる人は、今の世の中、決して多くはありません。
それどころか、「きつい」「危険」といった昔ながらのイメージが、いまだにアップデートされずに残ってしまっていることだってあります。
そんな中で、ただ待っているだけで「誰かが自社の価値を見つけてくれる」と期待するのは、砂漠の真ん中で誰かが通りかかるのを待っているようなもの。
まずは、皆さんの存在を、その魅力を、彼らの視界の中に「強制的に」ではなく「優しく、自然に」滑り込ませていく。そのための活動こそが「広報」なんです。
「黙っていても伝わる」は、もう通用しない
「いい仕事をしていれば、いつか分かってもらえる」「職人は背中で語るものだ」その職人気質な美学、僕は大好きです。とても日本らしくて、かっこいい。
でも、こと「採用」というマーケティングの場においては、その美学が時に大きな足枷になってしまうことがあるんです。
社会にとって必要不可欠で、誰かの日常を守る、これほど価値のある仕事。それなのに、その価値を自分たちから発信しなければ、外側からは「何もしていない」のと同じに見えてしまいます。
例えば、最近の土木現場は、i-Constructionの導入で劇的にICT化が進んでいますよね。ドローンが飛び交い、3次元データで工事が進む。昔のような「力仕事一辺倒」のイメージとは、もう180度違う世界が広がっています。
さらに、週休2日制の導入や、驚くほど手厚い福利厚生、30代で家が建つような給与水準を実現している会社さんも、実はたくさんあります。
でも、それ……ちゃんと伝わっていますか?
「社内報には書いているよ」とか「面接に来た子には説明しているよ」では、全くもって足りないのです。
情報を求めている人は、今この瞬間もスマホを片手に「自分に合う場所」を探しています。その検索の網に、皆さんの会社の「リアルな魅力」が引っかからなければ、彼らにとって皆さんの会社は、この世に存在しないも同然になってしまうのです。
広報は「余力」でするものではない
ここで、皆さんに一番お伝えしたい大切なことがあります。
広報活動というのは、「ついでにやるもの」でも、「時間と余裕があったらやるもの」でもありません。
経営戦略のど真ん中に据えるべき、「必ず取り組まなければならない最優先事項」だということです。
現場が忙しいのは百も承知です。広報なんて、何をすればいいか分からないという不安もあるでしょう。
でも、考えてみてください。
どんなに素晴らしい重機を導入しても、それを動かす「人」がいなければ現場は回りません。どんなに大きなプロジェクトを成し遂げても、その価値が社会に認められなければ、業界の地位向上も、次の世代へのバトンタッチも叶いません。
広報は、未来の仲間への「招待状」です。そして、今働いている社員の皆さんが「うちの会社、かっこいいだろ」と家族に自慢できるための「誇り」の源泉でもあります。
現場写真一枚をSNSにアップすること。
社長がどんな想いで会社を経営しているか、自分の言葉で語ること。
若手社員が、どんな時にやりがいを感じているか、インタビュー記事にすること。
それら一つ一つの積み重ねが、やがて「この会社で働きたい!」という大きな波を作っていきます。
伝わらなければ、存在しないのと同じ
しつこいようですが、最後にもう一度だけ言わせてください。
「伝わらなければ、存在しないのと同じ」なんです。
皆さんの会社には、磨けば光る独自の価値が必ずあります。それを、会社の引き出しの中に眠らせたままにしないでください。
「自分たちの仕事は、こんなに面白いんだ!」
「こんなに社会の役に立っているんだ!」
「だから、君と一緒に働きたいんだ!」
そんな熱いメッセージを、もっともっと、しつこいくらいに発信していきましょう。
最初は小さな声でも構いません。発信し続けることで、必ず誰かの心に届きます。
土木の価値と魅力を、もっと世の中に、社会に、みなさんの地域に発信していきましょう。
それでは皆さん、本日もご安全にー!
ーーー
株式会社ドボクのミカタ 小川慎太郎
