2026年8月27日
社内から広報ネタが集まらないときに考えたいこと

みなさん、こんにちは。広告業界出身の土木偏愛者、おがしんです。
いつも採用支援コラムを読んでくださり、本当にありがとうございます。
「発信するネタが思いつかない」
「写真撮影やインタビューをお願いしても、社員が協力してくれない」
広報に関する研修やセミナーをしていると、こうした相談をよく受けます。
広報担当者は会社のために一生懸命取り組んでいるのに、現場へ取材に行くと少し嫌そうな顔をされる。そんなことが続けば、社員に声をかけること自体が、だんだん苦痛になってしまいますよね。
しかし、社内から広報ネタが集まらないのは、担当者だけの責任ではありません。
今回は、社員から広報への協力を得るために考えたいことを、私自身の経験も交えながらお伝えします。
協力してくれない社員にも、理由がある
写真撮影やインタビューを嫌がる理由として、まず考えられるのが「恥ずかしい」という気持ちです。
顔を出したくない。何を話せばいいのか分からない。変なことを言ってしまったらどうしよう。
広報担当者にとっては日常的な撮影でも、普段は表に出る機会のない社員にとっては、身構えてしまうものなのかもしれません。
その奥には、広報への理解不足もあります。
なぜ写真を撮るのか。自分の話が何に使われるのか。発信することで会社にどのような効果があるのか。こうしたことが社内で共有されていなければ、社員からすると、突然仕事中に撮影やインタビューを頼まれているだけに見えます。
そんなとき、「これも仕事ですから、協力してください」と正論で押すのは、場合によっては逆効果です。
言っていることは間違っていません。しかし、相手には「広報担当者の仕事を手伝わされている」と聞こえてしまう可能性があります。
協力してくれない人と決めつける前に、相手が何に抵抗を感じているのかを考えることが必要です。
撮影の前に、相手の仕事を知ろうとする
以前、道路工事の現場へ動画撮影に行ったときのことです。
現場の担当者は、最初は少し「面倒くさいな」というような様子でした。
こちらは撮影に来ているので、すぐに段取りや撮りたい内容について説明することもできます。でも、その前に、現場のことをいろいろと質問してみました。
どのような工事なのか。どんな仕事をしているのか。現場ではどんな工夫がされているのか。
純粋に興味があったんです。
そうして話を聞いていると、担当者は、こちらが聞いていないことまで広く、深く教えてくれるようになりました。そこから自然にコミュニケーションが生まれ、結果として撮影もうまく進みました。
この経験から感じたのは、「撮らせてもらう人」になる前に、「あなたの仕事を知りたい人」になることの大切さです。
また、協力するためのハードルを下げる工夫もできます。
顔出しが苦手なら、本人の了承や社内ルールを確認したうえで、写真をAIでイラストにする。一人で写るのが嫌なら、複数人で撮影したり、広報担当者も一緒に入ったりする。
協力するか、断るかの二択ではなく、どうすれば無理なく参加できるのかを一緒に考える。その姿勢が、相手との距離を縮めます。
発信後の反応を、きちんと社内へ返す
広報担当者は、発信するところまでを自分の仕事だと考えがちです。
しかし、社内の協力を増やすためには、その後のコミュニケーションも欠かせません。
SNSへ投稿したのであれば、「反応がよかったですよ」「現場の仕事がよく分かったというコメントがありました」など、社外から届いた反応を協力してくれた社員へ伝えてみてください。
自分の写真や話が誰かに届いたと分かれば、広報への協力は、単なる面倒な作業ではなくなります。
全社的に広報への理解を広げるには、経営者の理解とやる気が土台になります。ただ、広報担当者が経営者や会社全体をすぐに変えるのは難しい場合もあるでしょう。
だからこそ、まずは小さなことから始める。
協力してくれた人に感謝を伝える。発信後の反応を共有する。現場の仕事に興味を持って話を聞く。
広報は、社外へ会社の魅力を伝えるだけの活動ではありません。広報の意味や成果を社内に伝え、理解してもらう活動でもあります。
そして何より、広報担当者自身が楽しそうに取り組むことです。
担当者が現場の話を面白がり、発信を楽しみ、届いた反応をうれしそうに共有する。その姿を見て、「今度は協力してみようかな」と思う人が少しずつ増えていくのではないでしょうか。
広報ネタは、お願いするだけでは集まりません。
相手の仕事に興味を持ち、参加しやすい方法を考え、発信後の反応を社内へ返す。そうした小さなコミュニケーションの積み重ねが、広報ネタの集まる関係をつくっていくのだと思います。
それでは本日も、ご安全&ご機嫌に参りましょう♪
記事を書いた人

株式会社ドボクのミカタ 代表取締役 小川慎太郎
防災士/公益社団法人土木学会Web情報誌fromDOBOKU副編集長/一般社団法人行政エンジニア支援機構賛助会員
広告業界にて25年間、マーケティングや販売促進の企画業務に従事。とある土木イベントにアドバイザーとして参画したことがきっかけで、熱烈な土木ファンになる。
土木業界に「広報」という言葉が浸透していない時代から「広報の重要性」を説き続けてきた、土木広報のパイオニア。
近年は、企業、団体向けの併走型コンサルティングサービスを中心に活動している。
公益社団法人土木学会・土木広報大賞2025最優秀賞を受賞
