協会ブログ

2026年6月4日

トンネル工事の移り変わりと、健康・安全、そして技能者を守る経営  横山英樹

一般財団法人 建設産業経理研究機構(建設業振興基金内の組織)発刊の小冊子「建設業経営」2026410日号の巻頭ページ「天籟」に、トンネル専門協 横山英樹会長の寄稿文が掲載されておりますので紹介いたします。525日開催の定時社員総会懇親会にて、一般財団法人 建設業振興基金 谷脇暁理事長よりご紹介がありました。

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トンネル工事の移り変わりと、健康・安全、そして技能者を守る経営

トンネル工事は生活や経済を支える重要なインフラ整備である一方、地盤崩落や地下水の突発的な流入、粉じんや騒音、閉鎖空間での作業など、従業員の健康や安全に大きな負荷がかかる現場として長く認識されてきました。
 こうした厳しい環境の中で、近年、トンネル工事を取り巻く状況は大きく変わりつつあります。その中心にあるのが、安全意識の高まりと法制度の整備、そして技術革新です。
時間外労働の上限規制や週休二日制の導入により、長時間労働は抑制され、十分な休息が確保されるようになりました。疲労の蓄積による事故リスクが低減し、従業員の健康維持やワークライフバランスの向上につながっています。
 また、改正建設業法や入札契約適正化法のもとで、公共工事を中心に労務費の基準(標準労務費)の運用が始まり、さらに、高い技能や豊富な経験を持つ技能者は適正に評価される制度の導入など、技能者の処遇改善に向けた動きが本格化しています。適正な賃金や労働条件が守られることで、現場で働く人の安心感を高めるだけでなく、技能の継承や若手人材の育成にもつながります。
 ICTDXの活用も、健康・安全、そして処遇改善の両面で重要な役割を果たしています。ICT建機の導入による危険作業の省人化や、クラウド管理システムによる施工管理の高度化は、事故リスクの低減と業務効率化を同時に実現します。これにより、限られた人員でも無理のない施工体制が可能となり、結果として技能者一人ひとりの負担軽減と働きやすさの向上につながっています。
従業員の健康と安全を守り、技能や経験に見合った処遇を実現することは、単なる福利厚生ではなく、企業の持続的成長を支える経営基盤です。安心して働ける環境があってこそ、技能者は力を発揮し、高品質な施工が実現します。
トンネル工事は、人と地域をつなぎ、災害時には応急復旧を担う社会的責任の大きな仕事です。その使命を果たすためにも、現場で働く技能者一人ひとりを大切にし、健康・安全・処遇のすべてを守る経営を進めていくことが重要だと考えています。
 私たちは今後も、安全を最優先に、技能者を大切に育てる業界として、社会に信頼されるトンネル工事を推進してまいります。

2026年4月 
一般社団法人 日本トンネル専門工事業協会
会長 横山英樹

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